東 直己(早川書房)
※571円
※私がKindle ストア
2011年9月10日に大泉洋・松田龍平主演で公開された映画※『探偵はBARにいる』の原作、ススキノ探偵シリーズの第一作。
※映画一作目は小説二作目「バーにかかってきた電話」を原作にしておりタイトルのみシリーズ一作目の本作品から取っている(Wikipedeaより)。2013年5月11日に映画第二弾『探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点』公開
映画一作目はまだ鑑賞していないんですが二作目が公開されるという事は一作目もヒットしたという事ですね。
二作目公開前にDVDをレンタルでもしようかな・・・・と考えていたところに、この『探偵はバーにいる』が前述のとおりKindle ストア
以下簡単なあらすじと感想を書いていきます。
札幌の歓楽街・ススキノで”便利屋”を生業にする”俺”。
ある夜、行きつけのバー・ケラーオオハタに大学の後輩・原田が訪ねてきた。同棲している彼女が行方不明になったので捜して欲しい、と泣きつく原田の話を(どうせ痴話喧嘩の末に女が男に愛想をつかした、という類の大した事のない話だろう)と軽い気持ちで引き受けた相談事だが調べていくうちに”俺”は彼女の周りで不審な出来事が起きている事に気づく。
警察やヤクザ、果ては得体の知れないチンピラ共が絡んでくるような事件に巻きこまれながらも大した報酬は貰っていないようだし、周囲から”探偵”として面倒な相談を持ちかけられると「俺は探偵じゃないよ」と言いながらも結局は引き受けてしまうところをみると”俺”は人が好いようだ。
この作品は”俺”がかかわるススキノの人達(バーや風俗店の客引き、ホステス、娼婦、馴染みの居酒屋の店主など)が、”俺”とストーリーの本筋とは直接関係ないやりとり(会話など)をするような場面がちょくちょく出てくる。読者目線で見ると初めて登場する人物でも作中では”俺”とススキノの人達は顔馴染みなので他愛の無い会話や冗談を言い合ったりもしている。”俺”にとってみれば大学の後輩から頼まれた『行方不明の彼女を捜す』というのは本業(ぼったくりバーのカモになった客と店側の仲裁、トランプ博打での小遣い稼ぎ、バーの売掛金の回収など)の間にやる、些細な事という感覚でいるようで行方不明の女性を必死に捜したりはしない。
つまり読者は積極的に事件を追う探偵の姿ではなく、小さな裏家業をこなして日銭を稼ぎながら気ままに暮らす、過去に何かがあった青年(28歳だが作中ではチンピラ共から”おっさん”、”じじい”などと呼ばれている)が、後輩にせかされながら渋々と事件に巻き込まれていく様子をみる事になる。
ミステリーの要素もあるが(事件の犯人は誰なのか?真相は?)などを推理するのがこの作品の醍醐味ではないと思う。
そういうミステリー要素よりも、事件を追ううちにかかわってくる謎の女や旧知のヤクザと"俺”の皮肉の利いた会話(ヤクザに”仲間”扱いされた”俺”が「俺は乞食じゃないよ」とか、「口にするのも恥ずかしいような事」と聞かされて「あんたが”言うのも恥ずかしい”てんなら相当なもんだよなぁ」と言ったり)の場面が見所。そういう台詞をニヤリとしながら読める人は読んでみてはどうだろう。
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